マルチビームマルチコラムシステム
“Multi Axis PSB”について
1.Multi Axis PSB(Programmable shaped beam)の目指すもの
ITRS Load map:「光リソは10nm以降を見通せない。」 | ⇒ EB lithography |
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微細化時のプロセスの再現性・安定性 | ⇒ Multi-beam (PSB) |
スループット:10wph/モジュール、100wph/クラスター | ⇒ Multi Axis (Multi-column) |
平坦化のできないMEMSデバイスの製造、多品種大量生産 | ⇒ EB露光MultiコラムMulti beam |
IoTデバイス、アナログ部の多品種大量生産 | ⇒ EB露光MultiコラムMulti beam |
メモリーフラッシュ(20、10nm以下)微細化多品種大量生産 | ⇒ MultiコラムMulti beam |
ロジックデバイス | ⇒ MultiコラムMulti beam |
AI(人工知能)デバイス、7〜5mm以下:多品種大量生産 | ⇒ MultiコラムMulti beam |
Mask Less Lithography & 10nm以降の微細化の推進
Lithographyの簡素化と短TAT化:パターン簡素化と光リソグラフィの複雑化の例:Double Exposure
2.Multi Axis PSBの技術概要
Multi-column(Multi Axis)
26mm×33mm描画範囲の小型コラム(CE: Column Element)を複数実装
Multi-beam(PSB)
VSB電子光学系の第2スリットの可変成形アパーチャの位置に、マトリックス状に微小開口と電極を形成したPSA(Programmable Shaping Aperture)と呼ぶ機能デバイスを装着し、複数の微小Beamを得る、Projection Lens部の偏向動作とXYステージの移動に対応したパターンデータによってBeamを個別にOn/Offし描画処理を行う。
3.モジュールとクラスター
4.PSA
VSBの第二矩形アパーチャに替えてマトリックス状(例えば50×50)の2500個の微小開口とその開口毎に電極を形成したApertureと、開口を通過するbeamをOn/Offする電極と電圧を電極に印加する機能デバイスSBBLD(Shaped Beam Blanking Driver)から構成します。
50×50 = 2500のbeamをOn/Offし、偏向位置1~16まで16回でウェハ上の3.2μm□の照射範囲全面をカバーするPSAの例を示します。
PSAはデバイス世代やパターンの種類に応じて微小開口の径や、開口の数を選ぶことで微細化や様々なパターンに対応できます。
5.PSBパターン描画方式
描画パターン:微小正方格子を画素とし、正方格子サイズの整数倍のピッチによって表現できるパターン
(描画パターン例:Half Pitch 16nm)
スループット
条件
レジスト感度 | 120μC/cm2 |
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電流密度 | 400A/cm2 |
PSA偏向整定待ち時間 | 50ns |
副偏向整定待ち時間 | 85ns |
主偏向整定待ち時間 | 200ns |
オーバーヘッド時間 | 61.2s |
ウェハ交換他
モジュール | 10.1wph (全面塗りつぶし) 16.1wph (上記描画例の場合) |
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クラスター | 101wph (全面塗りつぶし) 161wph (上記描画例の場合) |
描画動作例:偏向位置1 (1,2 -4,9-12,15,16)
描画動作:偏向位置15 (1-4,9-12,15,16)
6.PSBロードマップ
パターンサイズとPSA
- PSA開口径と開口数を変えることで微細化や様々なデバイスパターンに対応できる。 ⇒ 自由度が高い。
- 開口数に応じてデータ伝送速度を向上するとデバイス世代やパターンサイズが変わっても最低10wphのスループットを維持できる。
パターン世代とPSAの開口径と開口数、伝送速度の関係
7.Multi Axis PSBの特徴
- 他のマルチビームシステムと異なり、ラスタ走査ではなくベクタ走査である。
走査方向と非走査方向のエッジの精度とシャープネスが異ならない。
スタンプ方式でショットするために精度がよい。 - 従来の固定のCPビームを、電気的に自由に変化出来るようにした。
個別要素ビーム本数は2500本から10000本である。 - 1:1ラインアンドスペースでは描画時間は1/2に高速化出来る。
- 1:1のホールパターンでは描画時間は1/4に高速化出来る。
- 均一照射性:平坦面を有するTFE電子銃の使用。
- PSAの正方格子マトリクスビーム群とデバイスパターンのサイズ・ピッチが一致するとき、描画精度と高スループットが最大になる。最高1モジュール(台)あたり、10から30WPHが期待できる。
- PSAの正方格子マトリクスビーム群とデバイスパターンのサイズ・ピッチが不一致のとき、スループットは低下する。
- デバイスパターンの生産に適したPSAを使用することで良好な生産工程を得る。